3月に入りました。『暑さ寒さも彼岸まで』という言葉がありますが、ここ定義も今年は雪が少なくなんだか春の日のような天候が多く感じます。
今月は3月11日の東日本大震災のご命日、そして18日からはお彼岸とご先祖様や亡き方に想いを馳せる時でもありますね。今日は命について考えてみようと思います。
命(いのち)を辞書で調べてみると、『生き物の生きる力』『生きていくおおもとの力』などという意味が書かれています。その中に『天から与えられているもの』という意味もあります。さてみなさんにとって命とはどんなものでしょう?
私はこの天から与えられているものという考え方がとても腑に落ちる感じが致しました。8年前の東日本大震災では本当に多くの方が犠牲になられました。その中でも九死に一生を得た方々もいらっしゃいました。そういう方達のお話を伺うとみなさん口を揃えておっしゃるのが、『与えられた命』という言葉です。その言葉にはとても実感がこもっていて、それぞれに生死の瀬戸際を感じる経験をされたからこそ『亡き方の分まで』や『生き残ったことには何か理由がある使命がある』とお感じになるのだと思います。私たちの命は自分ではその長短を決められませんが、この与えられた命を大切に、つまりは生きている今を大切に、仏様に手を合わせながら、周りの方と仲良く日々を過ごさせていただきましょう。ひいてはその行いが亡くなられた方やご先祖さまを大切にすることにつながってまいります。
なむあみだぶつ
西方寺 住職
2019.3.7 18号