毎年ちょうど1月末から2月の上旬あたりに旧暦の元旦がやってきます。今年は1月28日がその日にあたります。中国や韓国などのアジアの国々では『春節』などどいって盛大にお祝いをするようです。
さて、この旧暦の大晦日に、定義の寺では古くから行われてきた行事『そば打ち』があります。これは地元の人たちがお寺に集まり、そばを打って定義如来にお供えし、最後は除夜の鐘をついて新しい年を迎えるというものです。800年前、平家の落人方にとっては、そばはごちそう。それをそばがゆにして如来様にお供えして新年を迎えたと伝わっております。
私は毎年このそばをいただく時に、『二度、おいしいな』と思います。ひとつはおそばがおいしい(笑)、もうひとつは、今年はすでに始まっていますが、また新たに再スタートを切れる、やり直せると思えるところが得をしたようで『おいしい』ということです。
年初め、うまくスタートを切れなかった、目標が定まっていなかった、そんな時はこれを再スタートのチャンスとすることができます。
除夜の鐘は一年間にたまった煩悩の垢を落とすという意味合いがございます。どうぞ、この旧暦正月に今一度身もこころも清らかに、仏前にて手を合わせ、スタートしていただければ有難い。よい一年となりますよう。なむあみだぶつ
合掌
西方寺
住職
2017.1.28(旧暦元旦)