2月になりました。お寺から車で数十分走ると、根白石(ねのしろいし)という田園風景のきれいな場所があります。そこに広がる冬の田んぼに、今ちょうど白鳥たちが長旅の羽休めをしている光景を見ることができます。白鳥たちが大きく羽ばたく姿や、家族の様に一緒に過ごしている姿は、なんとも愛らしく、自然の豊かさを感じ心がほっこりとします。
さて、今月は『明るく、かるく』というお題でお話をさせていただきます。ここのところこのほっこり話にも、明るくかるくいきましょうということを書かせていただいています。私が思う『明るく』というのは、青空に映(は)える日の光の様にはつらつと笑顔で、『かるく』というのは風のように軽やかにささーっと物事に対応していく様なイメージでおります。その様な心持ちで過ごさせていただけたら有り難いことですね。
2月15日は今から約2500年前、インドにて仏教を始められたお釈迦さまが涅槃(ねはん)に入られた日(亡くなられた日)。今回はお釈迦さまの言葉を一つご紹介させていただきます。
心はすべての物事に先立ちすべてを作り出し、すべてを左右する。
もし人が清らかな心で話し、行動するならばその人には、幸せがついてくる。
影が、体を離れることがないように。(法句経(ほっくきょう))
いかがでしょう。生きていますと、自分の外側ではいろいろな事が起こって来る様に見えますが、自分の心を整えて愛のある言葉を話し、思いやりのある行いをしてゆけば幸せがついてくる。私はこの清らかな心の一つが明るくかるくいることだと受け取らせていただいています。是非このお言葉をそれぞれにゆっくりと味わってみていただければと思います。
定義の仏さまは阿弥陀(あみだ)如来さま。願う方はどんな人でも平等に救ってくださる慈愛深い仏さまです。どうぞ今月も如来さんに手を合わせなむあみだぶつとおとなえし、明るく、心かるく参りましょう。
なむあみだぶつ
西方寺 住職
2021.2.2 41号