こんにちは。4月になりました。朝に本堂の前に立ってみると、鳥たちのさえずりが心地よく聞こえてきて、春の訪れを感じる今日この頃です。
今日は『そのままの自分を認める』というお話。
4月8日はお釈迦さまのお生まれになった日、花まつりです。お釈迦さまは今から約2500年前にネパールのルンビニでお生まれになった時、七歩あるいて、『天上天下唯我独尊』(てんじょうてんげゆいがどくそん)とおっしゃったと伝わっています。上にも下にも私より尊きものはいないという意味で、様々な解釈がありますが、『それぞれが尊い一人ですよ』と私は受け取らせていただいております。
人にはそれぞれ得意なこと、苦手なことがありますが、それぞれが尊い一つの魂なのですから、たとえ苦手なことや、うまくいかないことがあっても、まずはそのままの自分をやさしく認めてあげましょう。
身近な例えで言えば、私は車の車庫入れがどうも苦手で、何度やっても真っすぐに入れることができません。できる努力はしつつも、そんな自分もこれでいいのだとやさしく自分を受け入れます。頑張らなきゃ、絶対できるようにならなきゃ、どうしてできないんだ・・などと自分の心を苦しく追い詰めている方をたまにお見受けしますが、そのままのあなたを、あなた自身が優しく認めてあげる。よくやっていると愛してあげる。すると心が軽くなる感覚がいたします。そのままの自分でいいのです。
さらには、この努力をしたいからする、楽しいからするという、心に余裕をもった中道のあり方で事に当たると、ちょうど良いご縁を授かっていくようにも感じます。
手を合わせることも同様で、家でもいい、お寺でもいい、朝でも寝る時でも、心がしっくり来る時と場所でお合わせくださればときっと如来さんに通じていくことでしょう。今月も心穏やかに、合掌のお姿でなむあみだぶつとお唱えし、明るく軽く参りましょう。
なむあみだぶつ
西方寺 住職
2021.4.5 43号