4月になりました。また新たなスタートの季節ですね。境内は随分と春めいて来ましたが、今年は雪が残っていて、それもまた新鮮に感じます。
さて4月8日は『花まつり』といいまして、仏教をはじめられたお釈迦(しゃか)さまのお生まれになった日。今から約2500年前、ネパールのルンビニというところでお生まれになり、その時は甘露(かんろ)の雨が降り注いだという伝説がございます。ここ定義のお寺でも、それにちなんだ特別な御朱印をお出ししたり、大本堂に誕生仏をお祀りし、甘茶をかけてお参りしていただけるようになっております。(4月1日から10日まで)
そのお釈迦さまの法句経(ほっくきょう)というお経に、
心はすべての物事に先立ちすべてを作り出し、すべてを左右する
とあります。今世界を見渡すと、色々なことが起きていることを思い知らされます。今の私にできることは何かなと考えてみた時に、やはり『平和を祈る』ことに行きつきました。そこで先月のいくつかの土曜日曜に、お昼11時45分から5分間、大本堂前でそこにいらっしゃる方に声がけし、『平和の祈り』をさせていただきました。するとうれしいことに自然と多くの方が集まって、一緒に世界の平和を祈ってくださいました。
皆で祈るというのは一人でする時とはまた違ってより心強く、何よりみなさんとの共感が生まれます。それこそ見えない大きな力が如来さんに通じていくようにも感じました。
先程のお釈迦さまの言葉にもあるように、私たちそれぞれが不安や恐れを抱くのではなく、たとえ抱いたとしてもそれを肩からストンと落として、安心の心持ちで過ごさせていただければ良いご縁、明るい未来が巡って来るものだと私は信じています。それにつけても折に触れ、如来さまになむあみだぶつとお護りをいただきながら生活させていただきましょう。今月も明るく軽く。
なむあみだぶつ
西方寺住職
2022. 4.1 55号