3月になりました。ここ定義の境内は今もまだまだたくさんの雪に囲まれています。また日に日に鳥たちの元気に飛び回る姿を見ることができ、春が近づいていることを実感します。
さて、西方寺では貞能堂(さだよしどう)にて、どなたでも写経をしてもらえるようになっています。昨年1年間で約1600巻の納経がありました。子供さんから大人まで老若男女、色々な方々がそれぞれの思いで写経をしていただいているようです。
私は毎月、皆さんが納めた写経を、仏前で拝んで如来さまに奉納させてもらっています。
写経の最後のところにお願い事を書く欄があり、そこには様々なことが書かれています。紹介すると、誰かの供養としてされている方、世界が平和になりますように、いいご縁がありますように、部活で勝てますように、学校でおともだちができますように、はたまた宝くじが当たりますようになどなど。。十人十色それぞれの心の声を聞かせていただいているようにも感じます。それらもまるっと含めまして、如来さまに納めさせていただいております。
願い事というのは大小、多かれ少なかれ誰もが持つもの。それを叶えるにはやはり思っているだけでなく、執着(しゅうちゃく)はいけませんが、何かしらの行動を起こしていくことが肝心です。こうしたいと思ったら、思っているだけでなく、軽やかにまずいいと思ったことをしてみる。言葉にして口から出すことや、書くこともその一つでしょう。
写経に願いを記すということは、まさに如来さまに自分の思いを表現するという『行動』ですね。もちろん如来さまのお護りをいただきながらその願いが成就して、皆が幸せになったらなお素晴らしいことです。
どうぞ今月もなむあみだぶつと手を合わせ、穏やかなこころで参りましょう。
なむあみだぶつ
西方寺住職
2022. 3.1 54号