5月になりました。新緑の美しい季節。こいのぼりが優雅に泳ぐ境内は、ツバメたちが巣を作り、子育てに忙しく飛び回っています。
西方寺の大本堂前にひときわ目を引く大きな観音さまがいらっしゃいます。『子育観音』(こそだてかんのん)です。この観音さまは昭和58年(1983年)に岩手県の信者の方が、祈願成就のお礼として奉納されました。周りの台座や土台なども多くの方たちの協力で完成したものです。そういった方々の、『子供たちが健やかに育ちますように』との願いが込められています。
開眼されて来年で40年。私自身も子供ながらに、この観音さまのお披露目式などの事を覚えています。当時は遊具がたくさんあり、観音さまに見守られながら、その周りを友達とかけまわっていました。私も含め多くの子どもたちの成長を慈愛深く見護ってこられました。
この度、さらに観音さまとより多くの方にご縁を結んでもらおうと、ご縁日でもある4月18日から、こどもの日を含む5月18日までの一ヶ月間を『子育観音ご縁月間』として、お参りの法要をしたり、特別朱印をお出ししています。
観音さまのお顔をじっと見つめてみますと、本当に優しいお顔で心がほっこりといたします。ぜひひととき、お顔を拝してお参りしてくださればと思います。
世の中は、情報が溢れ混沌としたニュースが自然と目に入ってまいります。不安や恐れを抱く方もいらっしゃるかもしれません。こういう時こそ、折に触れ、心静かにゆったりと自身の心を整える時間を取ることが大切だと感じます。観音さまのお顔をじっと拝すのもお勧めのあり方の一つです。
今月もなむあみだぶつと手を合わせお護りをいただきながら心軽やかに参りましょう。
なむあみだぶつ
西方寺住職
2022. 5.1 56号