8月になりました。境内は毎日朝からセミの大合唱が響き渡っています。
さて、先月7月7日は定義を開かれた平貞能(たいらさだよし)公のご命日。ここ西方寺ではその1日前のお逮夜(たいや)とその当日7日が夏の祭典になっていて御本尊がご開帳されました。今年も五重塔をブルーの光でライトアップし、世界の安寧と医療関係者への敬意と感謝を表現させていただきました。ちょうどその頃は定義にホタルが飛ぶ季節。多くの方が、五重塔をお参りされ、ホタルを見ていかれました。
暗闇に光るホタルは幻想的で、どこか懐かしい感じを与えてくれます。そう感じるのは私だけではないでしょう。暗かった場所に光がともると心の中がパッと明るくなるような気がいたします。
お寺ではどうしてろうそくをともすのですか?という質問を、先日ある方からいただきました。ろうそくの灯(あか)りは、ホタルと同じく暗闇をパッと明るく照らします。私たちの心に仏様の智慧の灯りをともします。また私たちの道を明るく照らしてくれるという意味もあります。
心の中にパッと明るい光をともし、そしてニコッと笑ってみましょう。そう意識してみることが大切だと感じます。8月はお盆の季節。ご先祖さんに相対することがあると思います。そんな時にはぜひろうそくに灯りをともし、心のろうそくにもぜひ明るい光をともしましょう。
その第一歩としては自分の心が喜ぶように日々をお暮らしいただくこと、そして折に触れ、手を合わせて心静かに『なむあみだぶつ』とお唱えいただくことが肝心です。如来さまやご先祖さまはいつもあたたかくわたしたちを見護ってくださいます。
今月も心軽く、そして明るく参りましょう。
なむあみだぶつ
西方寺 住職
2021.8.4 47号