こんにちは。8月になりました。定義も夏の青い空、蝉の声が境内に響き渡っています。
先月7月はここ定義ではアジサイの季節。貞能堂の山手に寺の鎮守(ちんじゅ)とされる熊野神社、稲荷神社、定義神社があります。その道中の斜面にアジサイが満開となり大変綺麗でした。淡い青の花が一面に咲き乱れ、異世界のようにも感じました。私もほぼ毎日、神社をお参りしながらその様子を楽しませていただきました。
仏教には、我々を含む生きとし生けるものには全て仏性(ぶっしょう)が宿るという考え方があります。山や川、木や草に至るまで仏の種があると。そんなことを考えながら神社の前から境内を眺めていると、自然と感謝の念が沸き起こってまいりました。
私たち人間もまた仏の種を備えた自然の一部なのですね。子供の頃、ご飯の時に『いただきます』と声に出して言うのは、今からいただくその命に対して、いただきますという意味だよと教えてもらったことを思い出します。その大自然の命の循環の中で私たちの生活も営まれているのですね。この夏のひととき、豊かな自然を見ながら少々立ち止まって色々と思いを巡らしてみるのもいいものです。
8月はお盆の季節。一般的には13日から15日がお盆とされています。自分のご先祖さまに対して心を向けるありがたい機会でもあります。どうぞそれぞれにご先祖さまにもありがとうと感謝して過ごしましょう。
何か不安や恐れなどがあれば、ぜひ定義でその肩の荷をどさっと下ろして如来さんになむあみだぶつと手を合わせご縁を結んで、安心のこころでまいりましょう。
なむあみだぶつ
西方寺住職
2022. 8.1 59号