こんにちは。九月になりました。ここ定義もぐっと涼しくなり、夜になると鈴虫の声が聞こえるようになりました。
今月は境内にあるお寺の鎮守、熊野神社の節句を九日にお迎えします。今一度場を整えて、お勤めをさせていただくことにしています。また今回はそれに因んだ特別朱印(9月9日から9月25日まで)も寺務所にて準備しております。よろしければどうぞお参りください。
さて先日、市内の山手にある滝を見に行く機会がありました。今この世の中は、インターネットのお陰で、『滝』と検索すればすぐに大小様々な滝の映像が画面越しに見ることができます。しかしながら、実際にその場所に行くことでしか感じることができない事もあることを、その時に実感させてもらいました。
私が訪れた滝は、その場所まで斜面を下って行きます。段々と滝に近づくにつれ、次第に水の音が大きく響き、落水が滝壺に入った時に出るひんやり、そしてふわっとした風を肌で感じることができました。また時より霧になった水しぶきが私の顔に降りかかり、心の奥をくすぐられるようななんとも言えない感覚がいたしました。まさに目には見えませんが五感で感じる清々しさ。ありがたい気持ちにさえなりました。
私たちは日々仏前にて如来さんに手を合わせますが、そのお姿は目には見えませんし、お声も耳に聞こえてはきません。しかし、確かにそこに鎮座され、お護りくださっているということを思わずにはいられません。私はこの滝が、目には見えないそのことを再確認させてくれた様に思いました。時にゆったり五感で感じてみる。大切な事ですね。
どうぞ今月も如来さんになむあみだぶつと手を合わせ、お護りをいただきながら明るく軽くまいりましょう。よい九月をお過ごしください。
なむあみだぶつ
西方寺住職
2022. 9.1 60号