令和4年、新しい年を迎えました。謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
年末にはたくさんの雪や雨が降り、まるで天が正月前に様々なものを洗い流してくれているかのようにも感じます。
さて、天候もさることながら、私にとって昨年12月は、『浄化』という言葉をよく耳にする月になりました。
その一つをご紹介すると、色々なご縁から、ある檀家の方に水晶の石をいただくことになりました。私は石の事は全くわかりませんので詳しい方に聞いてみると、石というのは長い年月をかけて形成され、まさに地球のひとかけら、人間の体で言えば細胞のようなものだということを教えていただきました。言われてみれば確かにそうですね。またそういった石には周りを浄化する作用があるとされ、古くから世界中で人々が身につけたり近くに置いたりと大切にされてきたことなども、初めて知ることとなりました。
お相撲さんが取り組み前に土俵に塩をまく事も一つの浄化の作法ですが、我々の生活の中にもそういったことがたくさんあることに気づかされます。年末の大掃除すす払いも、一年の埃(ほこり)を払い清めることであり、大晦日の除夜の鐘も煩悩(ぼんのう)を払うという意味がございます。毎日のご祈祷(きとう)も、お香の煙で心身を清める意味のお経から始まります。
お寺にお参りするということも、広くは心身を浄化し、如来さまとご縁を結ぶということになるでしょう。
新年の始まり、どうぞそれぞれに昨年の事は洗い流し、また新たな清々(すがすが)しい心持ちでお過ごしいただけたらありがたく存じます。本年も如来さまのお護りをいただきながら『なむあみだぶつ』と手を合わせ、共々に明るく軽く参りましょう。
なむあみだぶつ
西方寺住職
2022. 1.1 52号