こんにちは。2月になりました。今年の冬もたくさん雪が降り、境内は雪でいっぱい、そりすべり場もできました。
さて、今日は火のゆらぎのお話しをさせていただきます。
先日、『和ろうそく』の火がとてもきれいで落ち着くという話が印象に残り、自分も早速、和ろうそくを手に入れて、火を灯しゆったりとながめてみました。
私は日頃から本堂や仏壇などで普通のろうそくの灯りを見ていますので、どんなものかと思いましたが、改めて和ろうそくの火を見てみると、時よりゆらぎが大きくなったり芯が燃えて炎が上に昇ったりと、普段のものと比べると動きが多くあります。そのゆらぎになんとも言えない心地よさを感じ、いつの間にか時が経っている程でした。
火は古くから人間が使ってきた自然の恵みの一つ。儀式や瞑想などにも使用されるように、そのゆらぎを見ると心を鎮める作用があるとも言われています。
先日1月14日に行われた『どんと祭』でも大きな炎が空に向かってゆらいでいました。やはりそれを目前で見た時も、心が非常に落ち着く感じがしました。古くから皆でこの火に向かって無病息災を願うことも自然なあり方であり、仏さまを拝む心をそなえるのに火の光というのは大いに助けになることを実感したひと時でした。
私たちは、生活の中で、自分の意識を外に向ける事で世間や周りでは様々な事が起きていることを認識します。しかし、そうした事ばかりを目をやるのではなく、時に立ち止まり、自分の意識を仏様や自分の内側に向けてみると、今こうしてあるものや、当たり前だと思っていたことに感謝の念が湧いてまいります。この火のゆらぎを見ることもその一つのいい方法でしょう。
どうぞ今月もなむあみだぶつと手を合わせ、如来さんのおまもりをいただきながら安心の心持ちで参りましょう。
なむあみだぶつ
西方寺住職
2022. 2.1 53号