こんにちは。9月になりました。境内、観音さまの前のハスが花開き、なんとも綺麗な様子を見せてくれています。
さて、先月はここ定義でも4年ぶりとなる夏祭りが開かれました。夜には奉納花火が打ち上がり、澄んだ空に大輪の花を見ることができました。
私が印象的だった事は、花火の後にある女性の方が『花火は祈りですね。』と感慨深げにおっしゃったことです。この方は花火を見ていて、自分の亡きおばあちゃんの笑顔を思い出し涙が出てきたそうです。
元々花火の起源を調べてみると、よく知られているところでは江戸時代に飢饉や疫病によって多くの命が失われた際、そのみたまの鎮魂と人々の安寧を祈願し、花火が打ち上げられたと言われています。また8月はお盆もあり、ご先祖さまに心を向ける時期とも重なって供養の意味も自然と含まれていったのでしょう。
かく言う自分も、夜空に大きな花火がドンっという音とともに上がるのを目の当たりにすると、心の琴線に触れる感じがして自然と涙が出ました。同じ花火でもそれぞれに、それぞれの思いを乗せて見る。それが花火の醍醐味でもあります。
多くの方々に協力、協賛していただいての夏祭り。至らないところもあり、ご不便をかけてしまった所もありますが、また改善しながらさせてもらえればと思います。本当に多くの方々のお陰様でした。
どうぞ今月も、如来さんになむあみだぶつと手を合わせ、お護りをいただきながら、明るく軽くまいりましょう。
なむあみだぶつ
西方寺住職
2023. 9.1 72号